子どもたちの甲状腺ガン:附記2014/01/12 15:46

以下に、ヨウ素131と甲状腺ガンに関する短い記事を何本か記載します。

●ヨウ素131の恐ろしさ
福島の甲状腺ガンは、主にヨウ素131による内部被ばくが原因と考えられています。ヨウ素は人体に不可欠な栄養素の1つで、甲状腺に集まって甲状腺ホルモンの主原料となります。人体は、普通のヨウ素と放射性のヨウ素を見分けることができませんから、ヨウ素131もまた甲状腺に集まってしまうのです。
ヨウ素131は半減期が8日で、核分裂で生まれる放射性物質の中では比較的短い方です。しかし、「8日もすれば半分になってしまうのだから」なんて考えてはいけません。
"半減期が短い"ということは、"短時間の間にたくさんの放射線を出して崩壊する"ことを意味します。たとえ一過性であっても、ある程度の濃度のヨウ素131を体内に取り込んでしまうと、それが甲状腺に集まり、甲状腺の細胞に集中的に放射線を浴びせ、後にガンを引き起こす可能性が高くなるのです。
ちなみに、ヨウ素131は福島第1から気体で大量に漏出しているので、避難の遅れによって、より多くのヨウ素131を吸い込んでしまった人は多いのです。
放医研(放射線医学総合研究所)は「福島県民のヨウ素131による被ばくは、大半が30mSv以下で心配は要らない」と発表していますが、被ばく直後に検査が行われていないなど、この説には多くの研究者から疑問が投げかけられています。

●甲状腺ガンで死ぬ人はいない!?
「甲状腺ガンで死ぬ人はいない」などとひどいことを言う研究者や政治家がいます。実際に、5年生存率は90%、10年生存率も80%以上と発表している医療機関が大半です。しかし、死んでいる人もいます。また、甲状腺の全摘をしてしまえば、甲状腺ホルモンを造ることができなくなり、一生、甲状腺ホルモン剤を服用せざるを得ません。また、再発の危険性がいつまでも付きまといます。
被ばくによって甲状腺ガンになってしまった人、あるいはその可能性がある人に対して、国は健康監理面で、一生責任を負う必要があります。

●全国規模で子どもの甲状腺検査を

今、福島で起きていることを正確に知るためには、全国規模で子どもの甲状腺検査を行う必要があります。
一次検査は、触診と超音波エコーによる診断だけなので、ツベルクリンよりも少し手間がかかる程度でしょう。
なぜ、日本政府はこういったことに熱心ではないのでしょうか?事実がつぶさにになって、みずからの責任を問われるのを恐れているからでしょう。

●一度検査した場所は、ふたたび検査しない!?
福島県の『県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況について』を見ると、検査は、毎年限られた市町村だけで行われています。
ということは、一度検査をして「異常なし」となった子どもたちは、その後の検査を受けないことになります。これは大丈夫なのでしょうか?
被ばくした細胞が、かなり時間を経てからガン化する場合があることは、広く知られています。検査体制をもっと充実させないと、早期発見が困難になっていきます。

コメント

_ hotaka43 ― 2014/01/12 18:58

こういう記事をお書きになるならば、多少なりとも解決への道が有る事をお知らせしたいと思い筆を執りました。
 アベ自民はこういう検査など、絶対にしようとはしない事は理解されていると思います。それでも何所かで行ってもらいたいとお思いませんか?そこは東京都です。予算は潤沢ですよね。知事が一言言ってくれれば予算が付き実行されます。その為には遣ってくれそうな知事にすればいいだけです。
 もうお分かりでしょう。宇都宮氏になった時請願すれば、まず行われるようになります。公約に入れてもらえるか質問してみては如何でしょう。その答え如何によって、応援する記事を書くかを決めて、後はGO!です。

_ rokky ― 2014/01/14 19:49

お忙しい中の書き込みに感謝致します。
いつも内容の濃さに感心しています。
これからも情報の発信をお願いします。

_ (未記入) ― 2014/01/15 22:45

>rokkyさま
この間、記事が書けずに申し訳ない思いでした。少しずつ復活しますので、よろしくお願いします。安倍政権になってから特に推進派の巻き返しが目に余ります。都知事選もあるし、頑張らねば!

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