東電の悪あがき2012/03/15 13:29

天下りでスパイ雇い入れ!?
今朝の毎日新聞、一面トップのスクープ記事です。

東電:原発事故後も天下り招請 東京都元局長を雇用』『東電天下り:関係改善の切り札 固辞する元局長を説得

東電が、東京都の元環境局長を天下りで雇い入れ、都庁に対してスパイまがいの情報収集活動を展開していたことが明らかになりました。
3.11以前から、この人物に対する東電からの天下り招請はあったようですが、5月に再打診。拒否されたが、8月に東電が強引に押し切ったというのが大まかな流れ。元環境局長は、東電の「アドバイザー」に就任。期待通り、都が進めるLNG発電所建設計画などについて、都庁の後輩から情報収集を進めていたようです。このスパイ氏、今年2月に、毎日新聞が取材に動いていることを察知。アドバイザーを辞任したようです。

恥を知れ!東電。この期に及んで天下りか。おまけにスパイ活動。この会社、やることなすこと、社会の常識からかけ離れすぎています。


●一旦値上げ、原発再稼働で値下げ!?
きょうは毎日新聞デー。もう一つ、注目値する記事が…

東電特別事業計画:家庭用値下げ盛る 再稼働前提、値上げ後の18年度

家庭向け電気料金は、一旦値上げするが、「柏崎刈羽原発の再稼働」を前提として、2018年度には現行料金に比べ、5%安い水準にすると。
この事業計画は、原子力損害賠償支援機構がまとめつつあるものですが、支援機構と東電の合作であるのは間違いないところでしょう。

「福島第1の事故でお金が足りなくなったから、値上げするよ」「原発再稼働させてくれたら、ちょっと値下げのご褒美もあるよ」

お客を舐めるのもいいかげんにしろ!と言いたくもなります。
こんな見え透いた甘言に騙されてはいけません。

それにしても、どうしても原発を再稼働させたい勢力は、こんなに必死なのか… 裏に巨大な利権構造があるからです。
1954年(昭和29年)、当時改進党に所属していた中曽根康弘、稲葉修らによって原子力研究開発予算が国会に提出されました。以来、60年近く、電力会社・中央の政治家・重電メーカー・ゼネコン・地方議員・地元の土建業者などを中心とする「真っ黒い利権構造」は、膨張を重ねてきたのです。ここにしがみつく連中は必死です。
しかし、それに負けてしまったら、何も変わりません。日本列島は遅からず、第二の福島第1を経験することになるでしょう。

私たちは、原子力なんていう危険極まりない手段を使わなくても、十分にエネルギーを得ることができ、豊かな生活を育むことができるはずです。いや、原発は、私たちの安心で安全な生活を破壊する凶器でしかないということが、3.11で身に浸みているはずです。大事故は収束の見通しすらついていません。政府や東電は40年とか50年とか言っていますが、実際には、100年経っても、あの場所を安全な更地にすることは不可能です。
そんな中で、「値下げ」というニンジンをぶら下げて、強引に原発の再稼働を図ろうとする国と東電、そして原発利権集団。怒りを通り越して、呆れるばかりですが、ここは怒りを持続!全原発の廃炉を絶対に実現しなくてはなりません。

コメント

_ 小高 ― 2012/03/16 12:07

新聞販売店の厚意で、被災者に各紙が無料で届いています。
民友・民報しか読んだ事がなかった福島県民には目からウロコです。

産経は、都知事と共に【原発再稼動】の論説
個人的には、ガレキを現場で埋め立てながら、風力発電の強固な土台と併用することで、防波堤も兼ねられるし、運搬の無駄もなくせると思うのですが、
低周波が漁業に悪影響を与えると煽り、地元漁師らと反対する。

朝日は、中朝寄りの売国奴・戦後民主主義論調を隠すかのように、一見 原発反対。被災者特集にページをさいている。被災者に優しい紙面。
ここが一番スクープを掴んでいるのに隠してる?ニュアンス。NHKと似た報道。

毎日や東京新聞が たまにおおっという記事を出してくるが、まだまだ政府や東電に遠慮しているような気がする。
関西朝日放送の役員と話す機会があったが、なぜ遠慮するのかと聞いたら「我々は認可事業だ。取り消されて路頭に迷う事はできないし、真実だけ伝えてもいいとは限らない」とのこと。唖然。

命がけで原発消火にあたった隊員たちのように、マスコミも命をかけろとは言わないが、クビをかけて真実を報道する勇気を持って頂きたい。

_ 私設原子力情報室 ― 2012/03/16 23:50

>小高さん
コメントありがとうございます。
当方は、今、マスメディアが命を懸けられないのだったら、いつ命を懸けるのだ!とズッと思っています(仰る、「クビをかけて」は同義か)。
この間、短期的には毎日新聞と報道ステーションが良いです。
ただ「批判的に支持」ですよ。対マスメディアだけではありませんが、この立場を忘れると大きな間違いが起こります。

_ (未記入) ― 2012/03/21 12:05

いつも貴重な情報ありがとうございます。
保安院が駆け込みで次々認可
(青森県大間原発変更計画申請を認可←MOX!)
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2012031902130.html
こんなことが許されていいのでしょうか…

_ 私設原子力情報室 ― 2012/03/21 14:04

保安院は、最後の最後まで最悪でした。
大間のMOX許可は、絶対に撤回させたいですね。何とか手はないものか… 現状では国会頼みか… 悔しい限りです。

_ kansuso ― 2012/04/03 11:10

初めてコメント致します。
韓国に母子避難中です。
4月末に韓国の原子力病院で
ホールボディカウンターを受ける予定です。
検査の正確な内容を知るため、
このブログにたどり着き、
大変分かりやすい内容読ませていただきました。
どうもありがとう御座います。

韓国で暮らしながら、安心できる食材を探し、(韓国は日本からの水産物を含め輸入し続けてますので、気をつけなければいけません。)ブログで紹介しております。
http://blog.goo.ne.jp/kansuso
個人的には韓国の若芽、小魚すべてが安全なはずがなく、汚染された海水が太平洋から黒潮海流にのって戻ってくる前までの間、
南の海のなかでも、西のほうの海でとれた物だけはまだ大丈夫と思い、子供にも食べさせ、ブログでも紹介してます。
2011年夏ごろ日本海にまで汚染が広がったのを見ましたので、韓国側の日本海の海産物は信用できません。

先生の意見はいかがですか?
日本の九州あたりからとれた海産物など如何でしょうか?
まだ汚染されたと話は聞いてませんが、
海流の話ですし、ちょっと違った内容になるかも知れませんが、教えて頂けませんか?

_ 私設原子力情報室 ― 2012/04/03 12:11

>kansusoさん
コメントありがとうございます。
個人的な判断としては、今のところ、日本海産は問題ないと考えています(微量ですが、日本海の海藻や貝類から放射性物質が検出されていますが、3.11由来か核実験由来か明らかになっていません)。

太平洋と日本海のつながりを見る上で、まず、考えなくてはいけないのは津軽海峡です。ここでは海流は日本海側から太平洋側に流れていますので、汚染水が日本海側に広がる可能性は低いです。
参照:http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/soudan/kairyu.html
kansusoさんが、http://blog.goo.ne.jp/kansuso/e/2244df6a5dc9a7229eef416f592106f4 で紹介している画像でも、汚染が津軽海峡に入り込んでいないどころか、避けるようになっているのが分かります。これは、津軽海峡を流れる東向きの海流のおかげです。

さらに北に行って、オホーツク海はどうかというと、参照図にある千島列島の南の方(北海道の近く)では、オホーツク海から太平洋への流れです。もっと北に行くと、太平洋からオホーツク海に入る流れがありますが、これは、北から来る親潮(千島海流)の一部なので、汚染されていません。衛星画像で、千島列島沿いとオホーツク海に汚染が広がっていないのは、こういったメカニズムによるものです。
http://sc-smn.jst.go.jp/8/bangumi.asp?i_renban_code=006&i_series_code=D047001 が参考になるかと思います(後半にこの話が出てきます)。

今後、海洋汚染、海産物汚染で大きな問題となってくるのは、三陸沖はもとより、東京湾ではないかと考えています。東京湾では、主に雨と共に大地に降った放射性物質が川に流れ込み、それが湾内に蓄積しはじめています。その蓄積のピークは2年後と計算されています。「江戸前」が放射能に潰されてしまうということです。

_ kansuso ― 2012/04/03 21:40

お返事頂けて嬉しいです。
丁寧なお返事どうもありがとう御座います。
韓国では食品(韓国産)を測って出荷というわけでは
ないので、かえって心配になります。
もっと警戒しながら、勉強致します。^^

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