続・奇妙な一致(2)2011/07/01 17:23

さて、もう一つの重要なのは、全米にある原発の位置を示す地図です。
これは、アメリカ合衆国原子力規制委員会のホームページからゲットすることができました。

注意しなくてはいけないのは、「アメリカの原子力施設と乳がん患者の相関関係」が、 1985年~89年の間の乳がんによる死亡率に基づいている点です。原発地図が作られた2010年から逆算すると、稼働年数が0年から29年の原発グループを除いて考えなくてはなりません(この地図上で残るのは、「1980年以前に稼働し、現在も動いてる原発」=53基になります)。そうすると、先の地図で黒やグレーで塗られていたカリフォルニア州の一部には原発がないことになってしまいます。

しかし、よく考えてみると、上の条件に合う53基以外にも、「アメリカの原子力施設と乳がん患者の相関関係」に関連する原発がありうることが分かります。現在までに廃炉にされた原子炉と、1980年代前半に稼働し始めた原子炉です。インターネット上で、現在廃止されている原発まで、すべて網羅している資料を発見。
カリフォルニアには、「現在までに廃炉にされた原子炉と、1980年代前半に稼働し始めた原子炉」という条件にぴたりと当てはまる3つの原発があったのです(西暦は稼働時期)。

●フンボルト湾原発
1963~1980
●サンオンフレ原発
1号炉:1967~1992
2号炉:1982~
3号炉:1983~
●ランチョセコ原発
1974~1989

この内、ランチョセコ原発は、スリーマイルアイランドとチェルノブイリの事故を受けて、住民運動が廃炉に追い込んだ原発です。この件は、別の機会に紹介するとして…

上記、3つの原発を地図上にプロットしてみました。
「奇妙な一致」を越えて「驚くべき一致」!正直言って、背筋が寒くなりました。J.M.グールドの「アメリカの原子力施設と乳がん患者の相関関係」に認められる例外は、ロッキー山脈とミシシッピー川の間にある5つの原子炉だけです。

さて、このグールドの研究を日本に紹介した『内部被曝の脅威』(ちくま新書)の著者・肥田舜太郞さんは、グールドの統計手法を日本に当てはめようと考えたそうです。しかし、日本で原発の周りに160km圏を設定すると、日本中が塗りつぶされてしまい、その試みを諦めたそうです。笑えないどころか、恐ろしいエピソード。そして、それこそが、日本列島に今ある低線量被ばくの実情に他なりません。福島第1の事故を算入しなくても、すでにそこにある原発の恐怖。もう一度認識し直しましょう。

原子力発電所の大きくて高い煙突…
あそこから出ている白い煙は、単なる水蒸気ではありません。必ず核分裂生成物(放射性物質)が含まれているのです。

追記:
今回、「アメリカの原子力施設と乳がん患者の相関関係」を追跡するに当たって、当サイトよりも先に、独自の観点からこの資料を取り上げていたサイトを発見しました。敬意を表するとともに、ここにご紹介させていただきます。
3.11 乳がんの増加が示すもの

コメント

_ DHMO ― 2011/07/08 13:52

ふ~
2007年に同様の考察をWebに掲載した人が居ます、事故の後のドタバタで書いた文章ではないだけに、読み応えがある。
肥田舜太郎・鎌仲ひとみ『内部被曝の脅威 2005年出版』に触発されたと書いている。
まあ、結論には同意しませんが。

不思議なことに、原発に反対する人たちは、核実験の影響を過小評価した資料を集める傾向がある。
本来忌むべきは核兵器である筈なのに、これでは本末転倒している。

_ ファーザー・ピタウ ― 2011/07/08 17:26

おじゃまさん!
DHMOーー何の頭文字や?ーーさん。
ここは「事故の後のドタバタで書いた文章だけに、読み応えがない」と言いたいわけや?
それやったら、ちょいちょい訪れては、ごちゃごちゃあら探しせんと、読み応えのある物だけを、選んで読んどっだらええんちゃうん?
以前、誰かも書いとったけど、要は「あんたより、ワシの方が何でもよう知っとねん」、「ワシの方が偉い!」言いたいだけですわな、有り体言えば?
良~~~う、分かりました。「あんたが大将や!」「あんたは偉いお方や!」
もう、分かったから、退場したって!
この人の策にのって、不毛な書き込みしてもうたわ。みなさん、すんません!

_ DHMO ― 2011/07/08 21:23

ん~
一般に知られていることだから書いても良いか。

例えば14C(炭素14)、体内に約2500Bqあり、大気中の濃度がほぼ一定なので、年代測定に使われることで有名ですね。

で、年代測定の基準年は1950年になっています。
1950年以降、核実験の影響で大気中の14Cの濃度が約2倍に跳ね上がって、年代測定の基準に使えなくなりました。
化石燃料由来の炭酸ガスを放出しているから、14Cの濃度は本来下がるはずです。

これを最初に知った時には愕然としたものです。
同時に今話題に上るような放射性核種も、大量に拡散していますから、この時代の影響を軽視して、放射能の問題は考えられませんね。

_ 滝 ― 2011/07/10 21:13

DHMOは、文章の書き方が稚拙でしかも不誠実。
そのおかげでコイツがなにを言っても、どうしても肩入れすることができない。むしろ不愉快。
管理人やこのブログの読者にまともに向き合うつもりがないのなら、投稿は控えるべき。

_ DHMO ― 2011/07/11 02:30

偽科学を無批判に転載して危険を煽るだけなら「情報室」の看板は下ろしてもらいたい。

脱原発のためとはいえ、風評被害を広げていい理由にはならないだろう。

_ (未記入) ― 2011/07/11 10:21

DHMOさん
善意のボランタリティを前提としているWebの世界で、「看板を下ろせ」とは、なんたる傍若無人さ?! 
「どこで商売しとるんじゃ、ワレ」とすごむヤクザと同じですね。Webは天下の公道。立ち寄るも立ち寄らぬも、本人の自由。聞きたい意思と無関係に、街頭宣伝を繰り返す右翼団体とは違うのです。「看板を下ろせ」とは、いまやファシストでもそこまでは言わないでしょう。

あなたは、自ら「頭が良い」と思っているのでしょうが、今まで多くの人たちが指摘してきたように、立場がまずくなるとさまざまなハンドル名で別人を装って、サイト荒らしに奔走してきたことは、バレバレ。誰からも、まるっとするっとお見通しです。

それでは伺いましょう。「真の科学」って何ですか?あなたに賛同する者だけが「真」で、それ以外は「偽」だとでも仰りたいのですか? かつて「科学者」が魔女狩りに参加したように??
真摯な議論が展開されるなら、電力会社の擁護者でも、右翼でも、左翼でも、誰でもウェルカムです! 恐らくそれは、ここの管理者さんも同じでしょう。
しかし、これもどなたかが指摘していましたが、ここを2チャンネル化させて、炎上や破壊を策動するのなら、どうぞご退場ください!!
お願いです。あなたもここを訪れて不愉快なのだとすれば、訪問しなければ良いだけです。わざわざ真夜中に巡回しては、さまざまな人格で書き込みをしなくても良いでしょう。どうぞ、ご自身で「真の科学による『反・私設原子力情報室』」でも立ち上げてください。

管理者様へ。「原発をもっとつくれ」といったり、突然「脱原発派」になったり、その狙いは分かりませんが、悪意に満ちた発言をフィルターにかけても、誰も「検閲だ!」と責めたりしません。そろそろ、管理者権限を行使しても、良いと思いますよ。

_ 未記入でごめんねマン ― 2011/07/11 12:12

2011/07/11 10:21の投稿をした者です。いくらハンドル名とはいっても、やはり無記名では失礼でしたね。
その前の「滝さん」も、少し挑戦的で「DHMO」さんを刺激したのかも知れませんが、私も通りすがりながら、割と初期からこのサイトをウォッチしており、ここしばらくいろいろな投稿を拝見しながら、少し見かねるものがありましたので、書かせていただきました。
皆さん、もう少し真摯な討論をしませんか?!

_ 牙 ― 2011/07/11 18:01

未記入さんのコメントにほぼ同意します。
ただ、‘そろそろ、管理者権限を行使しても、良いと思いますよ。 ‘にはちょっと反対です。
私はネット規制法に反対する立場の者です。
DHMOさんみたいにネット上で匿名性を利用して言いたいことを勝手言い放って‘ネット荒らし‘する人は沢山います。
本ブログは、原発の危険性を正しく訴える良心的なものと思い支持しています。
‘情報室‘の看板を降ろせ!と権力顔負けのファシスト的暴言は絶対に許せませんが、このようなアホがいることも私にとっては貴重な情報です。(不快ではありますが)
本ブログを真面目に見ている読者各位の良心的リテラシーを信じています。
DHMOさん!これからも下品な投稿を期待しています。
ただ、あなたが世界の恥さらしになっている事実もよーく考えくださいね。

_ ピンク・フロイト ― 2011/07/12 03:27

牙様 「この人の存在自体が、貴重な情報」。なるほど。別の意味で、私も同感です。私の研究にとって、非常にわかりやすいサンプルを演じてくれているからです。
それにしても、皆さんかなり鋭い分析をしておられますね。当研究室にお招きしたいくらいです(笑)。
当事者だけでなく、それを見つめる周囲の人たちの気づきや洞察なども、研究を深めるべき対象であると、改めて認識しました。本質と違うところで、このサイトを利用させていただき、申し訳ありません(笑)。
観察者が顔を出すのは、本来的なあり方ではないので、またしばらく静かにオブザーブ致します。

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