下水処理施設で放射性セシウムが出続けている2012/01/21 17:43

前の記事で、ヨウ素131の検出状況を確認するために、東京都下水道局のデータを確認しました。
「2012/1/2~5」のデータを見て、ちょっと愕然としました。
セシウム134とセシウム137の値が、ありかわらず高いのです(汚泥焼却灰のデータ)。過去データをざっと見ましたが、昨年5月に発表が始まって以来、汚泥焼却灰の放射性セシウムは、変動はありますが、基本的に高いレベルが続いています。
放射性セシウムは、土との親和性が高いので、一旦地面に落ちると、そう簡単に土からは離れないと言われていますが、それでもこの値。アスファルトやコンクリートが多い、東京ならではの現象なのでしょうか…

環境中にある放射性物質が、少しでも下水処理施設に集まって、安全な場所に保管されるなら、それはそれで悪いことはありません。
しかし、下水処理場で汚泥としてつかまえられている放射性物質は、全体の何パーセント?残る大半は、河川へと流れ込み、やがて海へ。そして、一部は蒸発して雨としてふたたび降り注ぎ、一部は魚介類に取り込まれて食卓へと上ります。
川底に残った分は、浚渫されて埋め立てに使われ、ほとんどが行方知れずになるでしょう。また、予想もしなかったところから、放射性物質が出てきます。

こんな恐怖を抱えながら暮らすのは、絶対に、今回限りにしなければいけません。そして、この恐怖を横目に見ながら、原子力発電所の稼働を認め続けるとしたら、それは「愚」としか言いようのないものです。これは、日本政府に対する言葉であるとともに、私たち自身に向けた言葉でもあります。

コメント

_ テーさん ― 2012/01/21 19:06

データを見てみました。
汚泥焼却灰の数値を比べる限り、極端に高いとは見えなかったのですが…
今回より、脱水汚泥の計測が無くなったらしいので、もしかしてお間違えでは?と思いました。

違ってたらすみません。
どちらにせよ3千ベクレル以上とか、異常な数字だと思います。

_ 私設原子力情報室 ― 2012/01/21 20:53

>テーさん
ご指摘ありがとうございます。仰る通り、読み落としがありました。
さっそく修正しましたので、よろしくお願いします。

_ sakuradorf ― 2012/02/11 19:38

今日新聞を読んだら女性は200mSv/年、男は2000mSv/年まで不妊などの心配はいらないという記事があり、びっくりしました。私もエビデンスに基づく考察ということでいろいろ書いてきましたが、未だにメディア先導でおかしなことが書かれているので、困ったとものです。知識ある個人が連携して頑張るよりほかにないかと思います。お互いに頑張りましょう。
貴殿のブログのなかから今後引用させてもらうことがあるかもしれませんが、私のブログからの引用もご自由にしてください。

_ 私設原子力情報室 ― 2012/02/12 11:26

>sakuradorfさん
コメントありがとうございます。
『エビデンスに基づく考察』
http://sakuradorf.dtiblog.com/
は、時々拝見して、勉強させて頂いてます。

昨日は、『2.11全国一斉!さようなら原発1000万人アクション』に参加しました。もっとも心を打たれたのは、藤波心さんのスピーチと歌。日本列島から、いや、この地球から、原発と核兵器を無くすため、気持ちを新たにして頑張ろうと、素直に思い直させられました。

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