気がかりな農業・畜産業・漁業/福島浜通2011/03/29 06:12

福島第1原発の20㎞圏内に、「避難したら乳牛が死んでしまうから」と残り続けている畜産農家があるそうです。涙が出てきます。「オレたちは、何も悪いことをしていないのに」。あまりにも当然の言葉です。
畑に収穫寸前のキャベツを残してきた農家や、津波でやられた漁港に破損した漁船を残してきた漁師。彼らの無念はどれほどなのか、計り知ることすらできません。
今朝は、24日にキャベツ農家の男性が自殺をしていたという悲しいニュースが入ってきました。「東電と政府から補償金をもらえるのに、なぜ?」と思われる方がいるかも知れませんが、わが子同然に育ててきた作物や牛を失うことは、お金であがなえるものではないのです。しかし、死ぬのだけはやめてください。何も生みませんから。

今後、福島第1原発の周辺には立ち入り禁止区域が設けられ、一部の農家・酪農家・漁師は立ち退きになるのでしょう。補償も俎上に上がってきます。その時に、東電と国に求めたいのは、絶対に金銭だけの補償にしないということです。代替農地、代替牧場、代替漁港という物理的な補償を考えるべきです。勝手な言い分かも知れませんが、住民の皆さんも、絶対に農業や漁業を棄てないでください。仮に新しい農地を得たとしても、耕し慣れた畑と違って苦労の連続になることは分かっているつもりです。それでも、頑張って欲しい。そうしなければ、福島浜通の農業・漁業は消えてしまいます。

今もまだ、原発からの核分裂生成物(放射性物質)の漏出が止まりません。つい先ほどは、本サイトで再三危惧していたプルトニウムが原発附近の土壌から検出されたというテレビのニュースもありました(数日前には検出されていたようです)。よい方向に向かっているというニュースは、まだ一本も入ってきません。




コメント

_ 爺 ― 2011/03/29 14:58

キャベツ農家の男性の自殺のニュースは私もショックでした。
地震(津波)、原発事故への不安は時が経つにつれて
心の病気を誘発する可能性が大きいと思っています。
貴殿ブログの誠実な情報提供で私は大変救われています。(うつ病経験者)
不眠、不安、血圧上昇等が長時間続いたら、できるだけ心療内科等で診察を受ける事をお勧めします。
政府、官僚、東電、御用学者等による被害者を一人でも減らすためにも、、。

http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/resemom-20110328-1734/1.htm

_ 私設原子力情報室 ― 2011/03/29 17:42

>爺さん
コメントありがとうございます。お互い、心をいたわりながら生きましょう!しかし、穏やかに生きようにも、上空に放射性物質ではどうにこうにもいきません。怒りをぶつけるべき相手は分かっているのですが…
今後ともよろしくお願いします。

_ 私設原子力情報室 ― 2011/03/29 21:43

>爺さん
大断層に包囲されていた原発が、津波に突入され、放射性物質に占拠されてしまった。そして、その放射性物質が止めどなく溢れ出ているのが、今なのだと思います。

_ 爺 ― 2011/03/29 22:25

被災者を支援しつつ、日本中の市民が世界中の人々と連帯して日本の各電力会社、政府を包囲して原発政策を変えさせることが重要と痛感しています。
貴殿のブログは確実にその一翼を担っています。
ありがとう!

_ kyaz ― 2011/04/21 11:00

はじめまして、コメント投稿する前に戻ったら全部消えてしまったのですが、投稿されているでしょうか?
なかったら、また書きますので教えてください。

_ 私設原子力情報室 ― 2011/04/21 11:44

>kyazさん
コメントありがとうございます。
お尋ねの件ですが、当サイトは「送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません」という設定にしてあります。投稿が公開されるまで、多少時間がかかる場合があります。あしからずご了承ください。

_ kyaz ― 2011/04/22 07:51

またまいりました、このコメントの前に送信したのですが、届いていないようですので、また書きます。
私は福島市出身で、もうひとつ、県民向けに書いているブログもあり、その中で先日、理系人間さんのブログをトラバし(承認まだのようですが・・)そこからこちらにまいりました。
http://blogs.yahoo.co.jp/iizakaumare/35102200.html

私、潔癖な日本人、特に子供をもつ親は、いくら放射性物質の値が基準値以下でも敬遠すると思うので、これからの作付は福島は、一切やめるべきだと思っています。(農学部出身の夫の受け売りですが)
県や、福島出身の玄葉政調会長に訴えてはいますが、でもかなり補償が甚大になり、厳しいと思います。それに農家だって嫌でしょう。でも、真の再生には、いったん、身を斬る思いでこの春はやめた方がいいと思うのです。

限界集落に一時移転していただき、そこで腕をふるってもらえないかという風に思っています・土地を離れるのはおつらいとは思うのですが・・・

ですからこちらの文章を読んで、私だけじゃないんだなあ、と思ってうれしかった次第で、私のブログでご紹介したいです。

これからもふるさとのために、どうしたらいいかをきちんと考えてしかるべきところに訴えていく所存です。
いろいろと今後も教えていただきたく思います。

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