文太と敏行2011/06/16 15:41

菅原文太さんと西田敏行さん。芸能界の大御所二人が素晴らしいメッセージを発してくれました。

菅原さんは仙台出身。西田さんは福島県郡山市出身。今回の震災と原発事故を本気でご自身の問題として受け止めています。

菅原さん提案の『原発をやめろ三国同盟』は、当ブログ「イタリアは原発にサヨナラ!」に頂いた塩爺さんのコメントと100%一致!塩爺さんは、おそらく文太似の二枚目なのでしょう(笑)。
冗談はともかく、菅原さんは、反原発票が95%近くを占めたイタリアの国民投票に感動し、日本でも原発の是非を問う国民投票を!と訴えています。『仁義なき戦い』での菅原さんの名セリフ「弾はまだ残っちょるがよ!」が、とても暗示的に思い出されます。

西田さんは、リンク記事の中にはありませんが、「避難なのか移住なのか」という非常に難しい問題に言及しました。「実はこの中にも、心の底では『もう一生故郷には戻れないのではないか…』というご不安を抱いている方も、多いはずです」と泣きながら訴えたそうです。
政府や自治体は、一様に「皆さんができるだけ早く戻れるように、がんばります」と言いますが、実際には、数十年にわたって立ち入りができない場所ができるのは間違いのないことです。
この件に関しては、チェルノブイリ事故への旧ソ連・ゴルバチョフ政権の対応にすら遅れを取っていという指摘もあります。少なくとも、ゴルバチョフは、数千台のバスを動員して住民の大規模移住を敢行しました。
福島では、同心円状に設定された20km圏、30km圏を基本にしていることが、住民を混乱・困惑させているようです。逃げなくてもいい人が避難させられ、一方で、逃げたくても逃げられない多くの人がいるのです。このあたりの問題を福島現地から緊張感を持って伝えているサイトがあります。たくさんの人の命がかかっているのです。国も自治体も、もっともっと緻密な対応を急いで実行すべきでしょう。

1979年に公開された映画『太陽を盗んだ男』(長谷川和彦監督)。原子力発電所から盗み出したプルトニウムで原爆を作り、日本政府を脅すというストーリーでした。アクション映画仕立てですが、そこには核兵器や原子力発電への恐怖が、深く描き込まれていました。主演は沢田研二に菅原文太。日本映画史上に残る傑作でした(もちろん個人的評価ですが)。今、菅原さんは、奇遇をしみじみと思っていることでしょう。「この際だから、長谷川和彦監督と沢田研二さんからも、何か一言欲しい!」というのは、一映画ファンの勝手な希望ですが…

西田敏行さん主演の人気シリーズ『釣りバカ日誌』のロケ地には、なぜか原発がある場所が多かったそうです。電力会社などが、原発推進キャンペーンの一環として、映画に出資していたという背景があるようです。もちろん、西田さんには何の責任もありませんが、心中穏やかではないでしょう。原発と映画製作をめぐる事情を栗山富夫監督が語っています

コメント

_ tossini ― 2011/06/17 03:01

◎二人の行動を支持します。
英国のロックバンド、ホリーズ(The Hollies)のメンバーだったグラハム・ナッシュ(Graham Nash)は、後にクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(Crosby, Stills, Nash & Young:CSN&Y)として米国で活動。現在は、プロ・カメラマンとしても活躍しています。
彼は、1979年3月にスリーマイル島原子力発電所事故が起きた際には、シンガー・ソングライターのジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)やギタリストで歌手のボニー・レイット (Bonnie Raitt)らと、脱原発と安全なエネルギーの普及促進を訴えて、『安全エネルギーのための音楽家ユニオン(Musicians United for Safe Energy :MUSE)』 を設立しました。
もちろん、芸人が避難所を訪れて「癒し」を与える活動も意義がありますが、今回の菅原・西田両氏のような真摯なアピールは、貴重です。

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