安斎育郎さん、室井佑月さん、今こそ一言を!2011/11/01 22:21

10月17日の『あさイチ』に、ゲストコメンテーターとして出演したのは、放射線防護学を専門とする安斎育郎さん(立命館大学名誉教授)と作家の室井佑月さんでした。

「これは絶対!」という勢いで示された、
首都大学東京の福士研究室の分析データに対して、最後まで首を縦に振らなかった室井さんの母親としての直感というか、作家魂には頭が下がりました(私でさえ騙されかけました)。

安斎先生は、「まさか学者が間違ったのデータを提供するはずない」という前提から、福士研究室のデータを受け入れていますが、「これは、この1週間では出なかったという事だけれども別の1週間やったら少し出るという可能性もありますし」とか「この日たまたま多いのは、これはカリウムリッチで、食事をいっぱいとったのかもしれませんけどね」といった疑問を呈しています。番組全文書き起しという大変な作業をしてくれたブログがあります。あの『あさイチ』を見た人も、見なかった人も、一度目を通したらよいと思います。

当ブログとしては、意図せずこの一件に巻き込まれてしまった安斎育郎さん室井佑月さんにお願いがあります。他でもありません、『あさイチ』のレポートに対して、どういう立場を取るのかということです。今がよいのか、NHKが再検証の結果を発表してからがよいのか分かりませんが、是非とも立場表明をして欲しいです。

一方、分析を担当し、今、再分析に取り組んでいるはずの福士政広教授へ。ご専門は放射線安全管理学だそうですね。もし、再分析・再解析で、正しいデータを出せないようだったら、あなたの学者人生は終わりますよ。
でも実は、福士教授の学者人生がどうのこうのという、小っちゃな話ではないのです。子供たちの命が、私たちの命が守れるのかという話なのです。福士教授には、是非、この点を理解して欲しいものです。

コメント

_ イレギュラーず ― 2011/11/02 13:00

「あさイチ」でどういうことが行われたかが,文字起こしで少しわかりました。

で,「室井佑月 あさイチ」で検索すると5月26日放送の「あさイチ」がヒットしました。

今回の放送は,5月に番組中に「吼えた」彼女に対してなされたと見ることもできそうですね。「ほら大丈夫だったでしょ?」と。穿っているかもしれませんが。

「正しく心配している」彼女を私は支持します。

_ 福島の母 ― 2011/11/02 14:00

あさイチを検索していてこのブログにたどり着きました。むさぼるように全部拝読させて頂きました。
読み続けるうちに涙が止まらなくなりました。
私たち福島県民は一体どうすればよいのでしょうか?
貴殿たち県外民は政府、東電、マスコミ批判で良いですが、実際福島に居住して、こんなにすごいことになっている環境に住み続けなければ成らない県民がどのように不安をまた被害を払いのければ良いのか全然わかりません。
はっきり言って、読まなければ良かったともふと思料しました。事実がわかっても、対処の仕方がわからないので、不安がますます募ります。

_ 私設原子力情報室 ― 2011/11/02 14:45

>福島の母さん
福島現地からの切実な声、読ませて頂き涙が出そうです。
私は東京在住ですが、今回の問題をもちろん、福島だけの問題とは考えていません。ただ、福島の汚染状況が厳しいのは現実です。
現状で最大の問題は、政府が『強制移住地域<移住権利地域<除染区域』という明確な考え方を示さないことにあると思います。特に「移住権利地域」をある程度、広く取れば、住民の皆さんは、子供がいるかいないか… 仕事はどうする… といったことから、自主的に判断することができます。移住権利地域からの移住に伴う費用は、すべて東電と国が補償です。また、再就職等についてもケアすべきです。それだけの事故を起こしたのですから。それでも、移住に困難が付きまとうことは分かりますが。
このところ、特に除染がメインになってきて、さらに住民の健康が無視されているのではないかと心配しています。

_ 私設原子力情報室 ― 2011/11/02 15:12

追記:
福島の皆さんのためにも、日本中の子供たちのためにも、そして、私たち自身のためにも、微力ですが、力を尽くしていきたいと思っています。

_ うなぎ ― 2011/11/02 20:16

室井さんは文化放送にも毎週金曜日出演されていて、はっきり意見を述べておられます。あさイチでも以前「福島では給食が地産地消なんです、ひどいと思わない」と発言して、アナウンサーが「基準値以下は安全ですから」と慌ててコメントした場面もありました。ラジオでは、「私歩く風評被害ってい言われてるの」なんて言っていました。彼女はがんばってくれると思います。

_ 清二 ― 2011/11/03 09:55

授業がない日で、リアルタイムで見てました。
強く同感です!ゲストに二人を選んだのは狡猾です。

内容で引っかかったのはNHKが依頼した教授の方法について、検査時間が普通より長い、というところで、
あいまいな感じだなあと。
この番組以前に市民による検査についての記事を読んでいたので。
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20111007152553759

_ ミチロウ ― 2011/11/03 17:31

偶然、このブログを目にして以来、ずっと読ませていただいております。私自身はのんきに釣り関係の本などを書いている人間ですので、海洋汚染の影響については特に不安です。ただ、釣り人は楽観的というか、大丈夫だろ? 程度にしか考えていません。ま、あれほどの事故があって今なお避難している人たちがたくさんいらっしゃるというのに、首相自らが笑顔で近隣諸国に原子力発電システムをセールスして歩く国ですから…。
もっと危機感を持ってほしい!
そういう思いから、私の個人ブログ「道郎の移動祝祭日」http://michirou.cocolog-nifty.com/でも原発問題を取り上げ、そのなかで当ブログを紹介させていただきました。事後承諾で申しわけありません。
「朝イチ」に関して付け加えるなら、フクシマ原発事故の影響について少しでもマイナス側の発言をするとすぐに「風評被害」という反応が返ってきますが、これも考えものです。室井さんにはこれからも「歩く風評被害」であってほしいと思います。日本中が安全と安心の日常に到達するまで!

_ 私設原子力情報室 ― 2011/11/03 22:49

>ミチロウさん
「道郎の移動祝祭日」、拝見しました。日常との接点から原子力を語る姿勢、とても良いと思います。当方へのリンクは何の問題もありません。使えそうなところは、どんどん活用して下さい。
仰る通り、室井佑月さんには、これからも頑張ってもらわないと!福士政広教授と室井佑月。どちらが風評を撒き散らしていたのか、まもなく明らかになるはずです。

_ K ― 2011/12/15 19:05

はじめまして。福島出身です。別の記事のコメントで「福島の母」さんのご意見を読み共感した者です。
こちらのブログは、前から読んでおりました。朝イチについて、訂正が出た時にどういう見解をお持ちかを聞きたくて記事が出ないか出ないか、待っていたのですが、私が見落としたのかもしれません。
本日の朝イチについての御見解をお聞きしたく思います。
よろしくお願いします。

_ 私設原子力情報室 ― 2011/12/15 23:40

>Kさん
まずは「取り急ぎ」のレベルですが…
「自然界からの被ばくより低いから安心」という理屈は成り立ちません。安斎先生、しっかりして!それは、言い換えれば「被ばく量が自然界からの被ばく量の2倍までだったら安心」と言っているのと同じだからです。そんな疫学的データは存在しません。逆に、グールドの研究をはじめとする低線量内部被ばくの疫学的データは存在しています。

あと、再検証に関わった外部機関は、装置のチェックをしただけだったんですね… 私は、同じサンプルを福士研とは別な所にある別な機械で再検査するものと思っていました。
この問題、セカンドオピニオン無しでは信用しきれません。
…と思いませんか?

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