NHKは真相公開を2011/08/31 12:23

『ETV特集 ネットワークでつくる放射能汚染地図(3)』(8/28放送)を見ました。
木村真三さんと岡野眞治さんの名コンビによる詳細な汚染マップ作りは、今回は内部被ばくに大きく踏み込みました。さらに、ホットスポットで暮らす住民たちの実情を知った木村さんは、「汚染マップ作り」という枠を越えて、具体的に除染への取り組みを行い、その効果を検証しています。
前二回の番組に比べると、やや「安心」寄りのコメントが気になりましたが、住民を目の前にしたら止む得ないのかとも…

実際に除染を行った民家では、屋内の空間線量が半分程度に下がりましたが、それでも、赤ちゃんがいる部屋で毎時0.64マイクロシーベルト。仮に、赤ちゃんが一日中家の中にいるとして、年間の実効被ばく線量は5.61ミリシーベルトにもなります。これは、はっきり言って危険な数字。お母さんが「赤ちゃんと一緒に、この家(実家)を離れて自分のアパートに帰る」と言った時は、少しホッとしました。
とは言え、他の家族は、高い線量の外部被ばくを受け続けます。これは大丈夫なのか?心が痛みます。

さて、この番組の中で、本筋には絡まなかったのですが、奇妙なデータが提示されました。民家の庭の土から、セシウム134、セシウム137と並んで、テルル129とテルル129mが、相当量検出されたというのです(番組中ではナレーションによる解説は一切無く、グラフだけを表示)。数万ベクレル/㎡という高い値です。
半減期はともに短く、テルル129が70分、テルル129mが34日。これは変です。3.11当日、原子炉に制御棒が挿入されて連鎖的核分裂反応は止まっています。それ以降、テルル129もテルル129mも半減期に従って減る一方なので、今はほとんど残っていないはずです(テルル129mの一部がテルル129になるプロセスもあるようですが、それにしても量が多すぎる気がします)。
「すわ、再臨界」と騒ぐ声もありますが、もし、再臨界が起きていれば、他の数値も大きく変化するはずですから、データの解釈になんらかの間違いがあると思われます。

放射性物質の種類を知るためには、放出するガンマ線の波長を計測します(ガンマ線は光の仲間なので波長がある)。放射性物質によって、放出するガンマ線の波長が違うので、それを計測することで、放射性物質が特定できるのです。
と言うことは、テルル129・テルル129mではないにしても、セシウム134・セシウム137以外の放射性物質が、相当の濃度で存在していることになります。
一体、その放射性物質が何なのか?特に、内部被ばくを考える時、核種の特定は極めて重要です。NHKは木村さんとともに、サンプルを再検査して、真相を明らかにして欲しいと思います。

急性白血病で福島第1原発作業員が死亡2011/08/31 23:43

急性白血病 福島第1原発作業員が死亡」という衝撃的なニュースが飛び込んできたのは、昨8月30日。1日経っても、詳しい情報、新たな情報がまった出てこず、謎だらけです。
とりあえず思いつく疑問だけを列挙しても、
●発表されている被ばく線量は正しいのか?
●正常とされた白血球数はいつ計ったのか?
●白血病発症から数週間で死ぬことがあるのか?
●遺骨に放射性物質の沈着は認められなかったのか?
●過去に原発で働いていなかったのか?
などあります。

本来なら東電と国は、他の作業員の安全を考えて、徹底的に調べるべきでしょう。
しかし、「医師の診断によると作業と死亡の因果関係はない」(松本純一原子力・立地本部長代理)という、氷よりも冷たい一言があったのみです。
亡くなった方のご冥福を祈るとともに、真実の究明を徹底的に進めることを各方面に訴えたいです。






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